最終更新日:2002/10/16
第7回 曖昧な気持ちに挑むワークショップ
講演プログラム
登壇者,発表順序,司会者などは種々の都合により変更となる場合がございます.
予めご了承下さい.和文抄録は届きましたものから随時追記しております.
●第1日目(11/8 Fri.)
- 13:00-14:40 【データ解析】 司会:徳丸正孝(関西大学)
- 六角格子状の画素における画像認識:○松村成宗,本田あおい,岡崎悦明(九州工業大学)
現在、人間の目の代わりを務めるものとして、コンピュータビジョンシステムが多く利用されている。コンピュータビジョン用のイメージセンサの中には、六角形の画素を持つものが存在する。本講演では、六角形の画素の基本的な特徴と、コンピュータビジョンで利用する場合での基本的な処理アルゴリズムの研究について、報告する。
- ファジィ測度の非負性とdistortion:○中野隆文,本田あおい,岡崎悦明(九州工業大学)
ファジィ測度は非加法的集合関数である.そのため,通常の測度では表現できないような項目間の相互作用を表現することができる.このような応用において,ファジィ測度が既知のデータとして完全に与えられていることは少なく,一部の既知のデータをもとに全体を推定する必要が生じる.ファジィ測度の推定手法としては,あるクラスを限定してそのクラスで推定するという
方法が一般的である.本講演ではファジィ測度のいくつかの性質を導入し,ファジィ測度のもつ性質について考察を行う.また,distorted probabilityのクラスを用いて推定を行う.
- Webページの分類におけるキーワード抽出について:○高崎勲,米山計昇,菊池浩明,中西祥八郎(東海大学大学院工学研究科)
WEB情報検索においてWebディレクトリ構造型の有効性が認識されている。しかし、正確にWebページをディレクトリ型に分類するには、人間の主観に頼った選別が主流である。そこで我々はWebページから抽出されたテキスト集合を形態素解析し、決定木アルゴリズムID3に適用することを試みる。しかし、ID3を有効に用いるには、十分に意味のあるキーワードの集合を定めることが必要である。本稿では,その方法として、HTML文書中のALTタグを用いた方法、全文についてTF-IDF値について絞り込む方法などを検討し、実際のデータに適用した結果について報告する。
- 青年、中年、高齢者における発達認知の男女差:奥田裕紀(金城大学)
本質的に曖昧性を持つと考えられる発達段階認知については、被験者の年齢差による認知の相違が示されていた。しかし、各年齢群をまとめて比較した場合には、男性と女性の間の発達段階認知の差異は明確ではなかった。そこで、本研究では、青年群、中年群、高齢者群について、年齢別群ごとに発達段階認知の男女差について検討した。
- 14:40-14:50 休憩
- 14:50-16:30 【測度・積分】 司会:菊池浩明(東海大学)
- ショケ積分型ファジィ:高萩栄一郎(専修大学)
ファジィで使われているMax-Min演算は,相補律を満たさず,それに伴い単調性を意図しても,なかなか単調性を満たさない.ショケ積分型の演算を用いると相補律や意図した単調性を満たす演算が可能になる.本稿では,その理論的な背景やその特徴,応用先の検討をおこなう.
- 非加法的集合関数に関する条件間の関係:○朝比奈伸,室伏俊明(東京工業大学)
本研究では,非加法的集合関数(ファジィ測度)に関する様々な条件間の関係を明らかにしている.ここでいう条件とは通常の測度論における種々の命題をファジィ測度に関しても成立させるために与えられたものである.本論文では,その中で特によく用いられている12の条件を扱っている。この中で任意の2条件からその他の条件が導かれるかを全ての組合せについて調べ,導くことができないものには反例を,導けるものに関しては証明を与えている.
- 確率的基数相互作用指標におけるk-単調性と限界相互作用:藤本勝成(福島大学)
シャープレイ、バンザフ、チェイン型の相互作用指標や、メビウスおよび共メビウス変換は、確率的基数相互作用と呼ばれる限界相互作用の期待値として表現できる。本論文では、この確率的基数相互作用の公理的特徴付けを行う。また、k次単調性が限界相互作用指標によって特徴付けられること示す。さらに、すべての確率的基数相互作用が[0,1]上の属性の選択確率に関する、ルベーグ・スティルチェス積分によって表現されることも示す。
- 有限集合上の多段 Choquet 積分の特徴づけ:○室伏俊明(東京工業大学),成川康男(桐朋学園)
多段 Choquet 積分とは,Choquet 積分の多重の合成である.
本論文は,有限次元 Euclid 空間の閉凸部分集合上の
実数値関数φに関する次の 3 条件が互いに同値であることを示している.
- i)
- φは多段 Choquet 積分として表される.
- ii)
- φは単調増加かつ正斉次的な区分線形関数である.
- iii)
- φは,1 段目のファジィ測度がすべて加法的で,2 段目のファジィ測度が {0,1} 値であるような 2 段 Choquet 積分として表される.
- 16:30-16:40 休憩
- 16:40-17:40 【特別講演】 司会:吉川歩(神戸親和女子大学)
- インタラクティブ進化計算:進化的計算論の最適化能力と人間の評価能力の融合:高木英行先生(九州芸術工科大学)
インタラクティブ進化計算(IEC)の解説を行う.IECは人間の主観的評価に基づいて最適化を行う進化計算である.初めにIECの定義と特徴を述べ,次にIEC研究のサーベイを行う.IEC研究は大きく応用とインタフェース研究に分かれる.IEC応用ではCGや音楽やデザイン等のアート分野,信号処理や人工現実感や制御などの工学分野,教育やゲームやセラピー等の分野がある.インタフェース研究は人間-機械系の疲労軽減を主にした研究がある.最後に,今後の計算知能の研究方向の観点からもIECについて議論する.
- 18:30- 懇親会(於.ラ・パペリーナ)
●第2日目(11/9 Sta.)
- 9:00-10:40 【集合・論理】 司会:高萩栄一郎(専修大学)
- 包除被覆を持つファジィ測度の多面体的研究:○澤田佳成,室伏俊明(東京工業大学)
有限集合のベキ集合上で定義された集合関数を有限次元ベクトルとみなすと,多くの集合関数のクラスは凸多面錐をなす.本研究において扱う包除被覆を持つファジィ測度,つまり単調性と部分的な加法性をもつ集合関数クラスも凸多面錐をなす.本論文では,この凸多面錐の構造と,それを用いた集合関数の定義域拡張問題を扱う.
- グラフを用いた Venn 図の自動描画:○佐藤之泰,室伏俊明 (東京工業大学)
これまでのベン図の自動描画に関する研究としてハイパーグラフの2切断を用いたものがあるが,本発表ではとくに配置された要素を囲む閉曲線描画の部分においてその描画結果をより見やすいものにするための方法を提案する.またハイパーグラフの2切断を用いると要素数が増加したとき配置の最適化に要する時間が長くなってしまうなどの問題点があるため,もう一つの手法であるPATATEとの比較を行い,双方の長所を取り入れた描画システムを考える.
- あいまいさの系譜(2)−−RussellとBlackの``Vagueness''について :中島信之(富山大学)
ファジィ論理はあいまいさを扱うが,1965年の論文「ファジィ集合」以前にあいまいさについての論議が全くなかったとは考えられない.本論文では,1923年のRussell,1937年のBlackの論文,あるいは哲学百科事典(1967年)のVaguenessの項などからあいまいさの系譜をたどる.
- 10:40-10:50 休憩
- 10:50-11:30 【招待講演】 司会:岡崎悦明(九州工業大学)
- ファジィCS(顧客満足度)分析:塚本弥八郎先生(名城大学)
顧客満足度分析は、多くの経営面で応用されているが、この手法を指針として、学生による授業評価のアンケート結果の分析を行なった。順位のあるカテゴリの数量化分析などの統計理論による関連度、ファジィ基数の理論を用いた不満度の算出などに基いて、最終的には、授業の13項目についての改善要求度を導出し、言葉やグラフで各教官に注意を促すような表示をする。分析手法の紹介に加えて、かかるシステム開発において、統計学者とファジィ理論家の間での議論のいくつかを紹介する。
- 11:30-11:40 休憩
- 11:40-12:55 【気持ちの情報処理】 司会:室伏俊明(東京工業大学)
- RUN の構成とその画像から想起される線図形の相関について:○陽政典(九州工業大学),福田亮治(大分大学),本田あおい,岡崎悦明(九州工業大学)
2値の画像は白黒2種類の画素の集まりで構成されるが、それらが規則正しく並ぶことにより連続的かつ滑らかな直線や曲線を想起させる。本報告では黒画素がごく少ない場合に、それがどのような図形を想起させるかを解析する。具体的には、直線を近似する図形の傾きおよび、円弧を近似する図形の曲率に対して、人間の目を通してとらえられた値と、RUN の構造から導かれた値の相関について得られた結果を報告する。
- 風景画像の印象を左右する特徴量について:○中村光紀(九州工業大学 ),福田亮治(大分大学),本田あおい,岡崎悦明(九州工業大学)
画像を構成する画素を、色の近さを用いてクラスタリングすることにより、大まかな色の配置を知ることができるが、これらはその画像が与える印象と、さまざまな関連を持っている。本報告では、数種類のクラスタリングの手法を準備して、それぞれのグループ分けが、風景画像の印象に与える影響について考える。各手法ごとに、グループの大きさや代表色の構成が、アンケートによる画像の印象とどのような関連をもつかについて報告する。
- 所属度の評定手法が得られるMFに及ぼす影響:吉川歩(神戸親和女子大学)
一連の研究の最終的な目的は,ファジィ理論の知識を持たないユーザにも簡単に自分自身のベイグネスを適切に表現できるMF同定法を開発することである.本稿ではその基礎として,MF同定法の適切さに影響する可能性がある要因の中から,
- 1)
- システムから呈示される刺激としての要素の呈示順序,
- 2)
- 所属度の評定方法および
- 3)
- 評定に用いる評語
の各要因が得られるMFの形状に及ぼす影響を実験を通して検討を行った.
実験結果より- 1)
- 昇順呈示では強制二者択一的評定に近くなる傾向があること,また
- 2)
- 評定の評語の差異は遷移領域幅にほとんど影響を及ぼさないこと
などが明らかになった.
- ニューラルネットワークによるゴルフクラブの「打ちやすさ」の解析:○徳丸正孝,平岡信人(関西大学),山下一美(大阪市立大学名誉教授),長尾裕史,鳴尾丈司,佐藤文宣(ミズノ(株)),村中徳明,今西茂(関西大学)
製品の評価において,その性能や機能が重要であることは言うまでもないが,近年で はそれらに加え,製品の使いやすさや個性などが重要視されている.本研究では,ゴ ルフクラブを題材に取り上げ,ゴルフクラブの「打ちやすさ」とは何かを分析する. まず,ゴルフクラブの試打実験を行い,様々なゴルフクラブを「タイミングの取りや すさ」や「打球音質」など様々な側面から評価してもらう.そして,GMDHとニューラ ルネットワークとを用いた感度解析により,「打ちやすさ」に関係した評価属性の抽 出を行い,その重要度解析を行った.