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ワークショップ講演プログラム

平成8年9月26日更新

時間 A室 B室
受け付け 9:40〜
10:10(B室)
10:35(A室)

11:50
デザイン学会デザイン方法論部会
オーガナイズドセッション

司会:長沢 伸也(立命館大学)
意思決定
司会:和多田淳三(大阪工業大学)
  • 長沢 伸也(立命館大学)
  • 渡辺  誠(千葉大学)
  • 古屋  繁(拓殖大学)
  • 田中 太樹(大阪府立大学)
  • 中島 信之(富山大学)
  • 岡田  勇(電気通信大学大学院)
  • 堂ヶ崎士行(電気通信大学大学院)
昼休み 11:50〜12:50
12:50

14:05
感性
司会:矢鳴 虎夫(九州工業大学)
測度
司会:今岡 春樹(奈良女子大学)
  • 川中  愛(甲南大学大学院)
  • 磯本 征雄(名古屋市立大学)
  • 竹内 一郎(名古屋大学大学院)
  • 室伏 俊明(東京工業大学)
  • 高萩栄一郎(専修大学)
  • 本田あおい(九州工業大学)
休憩 14:05〜14:15
14:15

15:30
心理
[暫定]司会:吉川(京工繊大)
データ解析
司会:奥田 徹示(大阪工業大学)
  • 吉川  歩(京都工芸繊維大学)
  • 素村  肇(富士ゼロックス株)
  • 奥田 裕紀(金城短期大学)
  • 小西 幹彦(大阪工業大学大学院)
  • 古殿 幸雄(福山平成大学)
  • 薮内 賢之(大阪工業大学)
休憩 15:30〜15:40
15:40

16:55
測定
司会:中森 義輝(甲南大学)
システム
司会:市橋 秀友(大阪府立大学)
  • 大谷  崇(大阪府立大学)
  • 藤本由紀夫(広島大学)
  • 塚本弥八郎(名城大学)
  • 松田 紀之(筑波大学)
  • 古谷 信一(大阪府立大学)
  • 田中 一男(金沢大学)
懇親会(会議室I) 17:30〜19:00

講演者,講演題目および講演概要

○は講演者,括弧内は所属(敬称略)

A室

【日本デザイン学会デザイン方法論部会企画 オーガナイズドセッション】 10:35-11:50

  1.  長沢 伸也(立命館大学):「感性工学の現状と動向」
    人間の感じ方、嗜好、個人差などを製品設計に活かしたり、そうした機能を製品に組み込もうとする動きも多方面で活発になりつつある。そこで、ユーザーの感性の把握や分析を行い、機能や仕様をそれに合わせる設計方法が採用されるようになってきた。このための方法として、感性工学、あるいは感性情報処理といったアプローチが工学系の分野でも注目されている。本論文では、これらの現状と動向について、著者なりの視点から概観して見解を述べている。
  2.  渡辺  誠(千葉大学):「毒気を感じるデザインとその効用」
     最近,製品においてある種独特な印象を与えるデザインが多く見受けられる。デザインの現場においては,これら独特なデザインをどのように取り扱うのかが問題になっている。 本研究では,このようなデザインを取り上げ,類似性とイメージ語による評価の2つの分析を行った。この結果より,最終的に6つの特徴と効用を得た。これらは,デザインにおける「毒─Sting」と言え,今後のデザイン展開における一つの指標となると考えられる。
  3.  古屋  繁(拓殖大学):「乗用車の車体形状における類似性の判定構造」
    近年の乗用車デザインの類似の傾向をうけ,形態要素の形状の違いが車体形状全体の類似性の判定に与える影響の程度について,一般人とデザイナーを比較しながら検討した。両者の違いは乗用車に対する知識の質に起因していた。また,既に様々な車種によって形状展開されている形態要素において,その変化が知識化・言語化され,異なった様式への変化であった場合に,識別が容易となることがわかった。
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【感性】12:50-14:05

  1. ○川中  愛(甲南大学大学院),中森 義輝(甲南大学):「感性評価データ処理における諸問題」
     人がある物理的対象に対して心に抱くイメージを表現する際、「明るいイメージ」などの感性表現を用いる。しかし、そのイメージは人により異なるものであり、同じ感性表現を用いてもその評価は異なる。本研究では、システムキッチンをサンプルとして、それを評価する際に用いられる感性表現と、「好き」などの嗜好表現を回答者に評価してもらったアンケート結果を用いて、人の感性の違いの発見、及び感性表現と嗜好表現の関係の抽出を試みる。
  2. ○磯本 征雄,野崎 浩成(名古屋市立大学):「曖昧な言葉による多感な心情の表現法」
     分析的な言語と総合的な映像は,「左脳と右脳」や「デジタルとアナログ」と同様に,対照的な情報表現の形態として扱われてきた.また,数や印象を曖昧に表現する語彙は,流動的で複雑な状況下で使われることが多く,立場や状況の異なる2者の接点を模索する過程で大切な役割を果たしている.筆者らは,その属性や構造を研究することで,言語の曖昧さをコンピュータで操作可能な状況に出来ると期待している.本論文では,語彙の曖昧さの種類とその数理モデルの定式化を考察する.
  3. ○竹内 一郎,古橋  武(名古屋大学大学院),濱田 泰一(東京医科歯科大学),内川 嘉樹(名古屋大学大学院):「状況依存型の感情を表現するネットワークの一提案」
     人間はその時々の感情や過去の思考の経緯などにより、同じ刺激に対して異なる反応を示す事がある。本稿では、このような状況依存型処理を行なう人工ネットワーク構築の検討を行なう。本ネットワークでは、状況により、ネットワーク自体の構造が変わるのでなく、情報の表現形態が変化する。。シミュレーションによりこのネットワークの有効性、また、情報の表現形態による情報処理の可能性を検討する。
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【心理】14:15-15:30

  1. ○吉川  歩,西村  武(京都工芸繊維大学):「言語ヘッジの程度表現以外の機能について」
     程度表現語である言語ヘッジの直接的な程度表現以外の機能について論じる.まず最初に,程度表現機能と程度表現に直接関係しない機能の両者を扱う言語ヘッジの概念的なモデルを提案する.次に,12種のヘッジに対する4種のアンケート結果から,言語ヘッジに程度表現に直接関係しない機能が存在することを例示する.さらに,ヘッジ間での差異,個人差などの解析から,それらの機能を適切に取り扱うことの重要性についても言及する.
  2.  素村  肇(富士ゼロックス株式会社):「モノへの愛着感と気立てのよいモノに関する基礎的考察」
    モノは日々複雑になり、電子(BlackBox)化し、仮想化し、類似したモノが溢れている。「複雑化」や「仮想化」などを一義的に否定する前に、愛着感をもてるモノの資質として「モノの持つ気立て」を仮定し、さまざまなオフィス機器において使用過程での心理的変化を、インタビュー調査し分析した。その結果、1.人は機器対して、対人間以上に感情を持つこと、2.愛着感は心理の変容パタンに大きく依存していること、などが明らかになった。
  3.  奥田 裕紀(金城短期大学):「不確実性の認知・測定に関する発達的研究 −幼児・児童期におけるあいまいさ−」
    多義的刺激認知の発達的変化について検討するために,幼児・児童被験者群と学生被験者群の,多義的刺激に関する認知報告の比較を行った.改変記述対象評定法(ある刺激に対する自発的な認知の報告を求め,複数の認知が報告された場合には個別に記録し,各々について認知の確信度を評定させる方法)を用いて,15のオリジナルな図形刺激に関する,認知報告を求めた.多義性の高い5刺激についての平均認知報告数は,学生群の方が,幼児・児童群より有意に多く,多義的刺激認知が発達的に変化するという仮説を,支持する結果が得られた.また,幼児・児童群において,多様な認知が成立している可能性も示唆された.さらに,不確実性の高い認知を研究する際の問題点が検討された.
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【測定】15:40-16:55

  1. ○大谷  崇,市橋 秀友,三好 哲也,黒田 由香(大阪府立大学):「ニューロファジィ多次元尺度構成法」
     ニューロファジィ多次元尺度構成法は,学習によって対象物の空間的表現を与える方法であり,本研究では認知地図やソシオメトリー分析への応用を示す.地図のような2次元的な表現にとどまらず,3次元空間にも表現して検討する.数値例では,Torgersonの多次元尺度法や数量化IV類に基づく方法での結果と比較する.
  2.  藤本由紀夫(広島大学):「ファジィデータに基づく帰属度関数の一推定法」
     主観と客観との本質的な差異に「主観のずれ」と「主観のばらつき」の二つが考えられる。本研究では,三角形の面積認識実験を行い「ずれ」と「ばらつき」の特性を検討した。次に人間がデータを主観的に認識し,分類表現する過程の一モデルを提案し,人間の分類特性が帰属度関数で表現できることを示した。またファジィデータから帰属度関数を推定する確率的手法を提案した。この方法を用いると、従来使用されているほとんどの帰属度関数の形状が表現できる。
  3.  塚本弥八郎(名城大学):「計測過程での不確実さの内容の変遷」
     何かを測定しようという気持ちが生ずると,そこに「不確実さ」が現われる.「測定目的」を設定すると不確実さの内容が定まり,「測定手段」を決めるとそれに応じて不確実さの内容が変化する.「測定の実行」は,ある種の不確実さを減少させる.このように観測者側の行為における変化に対応して不確実さの内容がどのように移り変わるかを天秤による測定例について述べている.理論的背景としては,証拠理論における基本確率分布の有する不確実さの指標である不特定性,不一致性,混迷性および全不確実さの定義を用い,数値例を使いながらその意味についても触れた.
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B室

【意思決定】10:10-11:50

  1. ○田中 太樹,市橋 秀友,三好 哲也(大阪府立大学),吉本富士市(和歌山大学):「射影追跡ID3による感性ワードの研究」
     多次元写像をテンソル積を用いたスプライン関数で近似しようとするときに以下の問題点がある。1)入力変数の次元が増えると配置すべき節点数が指数的に増加し、スプライン係数も同じように増大する。2)一次元の場合はコンピュータグラフィックス等からテータの下にある関数形状を考慮して節点を決定できるが、多次元スプラインではそれが困難である。本研究ではファジィ集合の 考え方を採用した射影追跡回帰とID3によって多次元空間の必要な部分にだけ節点を配置していく手法を提案する。また一対比較データに用いる場合の方法についても提案する.
  2.  中島 信之(富山大学):「あいまいさと意思決定」

  3. ○岡田  勇(電気通信大学大学院),田島 博之(創価大学大学院):「χ-ファジィ測度の数理的性質と階層的意思決定法における同定」
    本研究では、まず、χ-ファジィ測度について、その数理的性質(とくに単調性成立条件)を考察する。次に、χ-ファジィ測度を用いた階層的意思決定法(χFH-意思決定法)について紹介する。これにより、AHPの欠点とされてきた評価基準の独立性の問題を回避することに成功する。ファジィ測度で大きな問題となるのが同定問題であり、本研究でその解決方法を1つ提案する。これは代替案の等価性を用いたものである。これにより、 意思決定者の「全体観」を合理的に数値化することになる。
  4. ○堂ヶ崎士行(電気通信大学大学院),室伏 俊明(東京工業大学大学院):「非加法的AHPにおける感度分析の手法の利用」
    従来の加法的AHPの拡張として、評価基準の重要度をファジィ測度で表すことにより、評価基準間の補完性や代替性を考慮した評価が行える非加法的AHPが提案されている。しかし、補完性や代替性の度合をどのように表すかについては、議論の余地がある。
    本研究では、感度分析の手法を用いて、評価基準間の相互作用の度合と各代替案の総合評価値との関係を視覚的に表すことによって、意思決定者が評価基準間の相互作用の度合を直接決定できるような試みを提案する。
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【測度】12:50-14:05

  1.  室伏 俊明(東京工業大学大学院):「Choquet積分で表される多属性選好構造の種々の独立性とファジィ測度の非加法性の関係」
    Choquet積分で表される効用関数(または価値関数)を持つ多属性選好関係に関して、属性の非本質性、選好独立性、相互選好独立性、弱選好差独立性、選好差独立性、加法独立性、効用独立性、相互効用独立性それぞれの必要十分条件 ― どれもファジィ測度の非加法性と密接な関係がある ― が示されている。特に、相互選好独立性、加法独立性、相互効用独立性は、いずれもファジィ測度の加法性と同値である。
  2.  高萩栄一郎(専修大学):「ファジィ測度によるFCR法(ファジィ多項目並列評定法)」
    排他的な評定項目に対して、並列に回答させたとき、通常足して1にならないので、ファジィ測度とみなせる。そこで、ファジィ測度を同定するときに用いられるφs変換の逆変換を用い、足して1になる統合値と「どちらともいえる-いえない」の程度ξを求める。最後に、ファジィ推論による方法、単純スコア法、逆転項目平均法と比較する。
  3. ○本田あおい,岡崎悦明(九州工業大学):「ファジィ測度の同定と主観的意思決定」
    本講演では、浅居編「ファジィ経営科学入門」第3章3節で扱われているファジィAHP法において、ファジィ測度の同定の改良を試みる。評価者の評価尺度(=ファジィ測度)は確率から導かれるものと仮定して評価尺度の同定を行なう。先掲文献では評価尺度はλ-ファジィ測度であると仮定されている。確率から導かれるファジィ測度のクラスで考えると、同定はかなり自由に行なえるようである。
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【データ解析】14:15-15:30

  1. ○小西 幹彦(大阪工業大学大学院),田中 公也,奥田 徹示(大阪工業大学):「ファジィ区間データに基づく最尤推定とその応用」
    これまでに,ファジィデータから近似的に最尤推定値を求める方法が提案され,その有効性が示されている.また,この有効性はデータが正確に観測されたときに得られる推定値と比較することにより示されている.本研究ではファジィデータをそのまま処理し,そして得られる正確な最尤推定値と比較し,提案されている手法の有効性を検討し,得られた推定値を用いてカイ二乗適合度検定 へ応用する.
  2. ○古殿 幸雄,浅居喜代治,牧野  純(福山平成大学):「重複観測データ概念を用いるファジィ統計応用」
    これまでに、人間の主観的なあいまいさを伴うデータをファジィ観測データとして、ザデーが定義したファジィ事象の確率概念を用いることで、ファジィ観測データの統計的処理の方法が提案されている。そして、これらの方法をさらに発展させる方向で、重複観測データの概念が提案された。本研究では、この重複観測データ概念を用いることで、実際の統計的処理問題への応用を試みる。
  3. ○薮内 賢之,和多田淳三(大阪工業大学):「ファジィロバスト回帰分析の構成」
    ファジィ回帰モデルでは,与えられた標本を包含するようにモデルを構成することでモデルの示すファジィ区間でシステムの可能性を表現している.このため,ファジィ回帰モデルでは,大きな誤差をもつデータが標本に混入しているとき,モデルが大きく歪む結果となる.モデルの形状を決定しているデータはデータ群の周辺部分に分布している.このため,本研究では,超楕円関数のパラメータを調整することにより周辺部分に存在するデータを抽出し,大きな誤差を含むデータについては距離概念で取り扱うことによって,大きな誤差を含むデータの影響を取り除いたファジィロバスト回帰モデルの構成方法を提案している.
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【システム】15:40-16:55

  1. ○松田 紀之(筑波大学),生田目 美紀(デザインリンクス):「An interactive method for dealing with hierarchically related images」
     化粧品,乗用車等積極的なブランド戦略が繰り広げられている.市場では商品の機能的側面だけではなく,ブランドやその上位階層の企業イメ−ジとの一貫性・適合性が効果的であることが多いように思える.
     本研究ではSD法の枠組み内ではあるが,こうした階層的イメ−ジの関係を実証的に分析する双方向的手段を提唱する.Visual Authoring Toolの特徴をいかし,anchoring-adjustmentを判断支援の手段として積極的に活用し,external & internal anchoringを組みいれた.
  2. ○古谷 信一,田中 英夫,前田  豊(大阪府立大学):「ラフ集合による近似精度を用いた情報システムの簡略化」
    本研究では,いくつかの観点から情報システムを簡略化する新しい手法について述べる.たとえば医療診断では,クラスは重要なものとその他のものに分けられる.そこで情報システムのすべてのクラスを重要度を考慮して,2つのグループに分ける.重要なグループの近似精度は厳密に保ったまま,その他のグループの近似精度を少しだけ減少させて,属性の簡略化を行う.また,その重要度から各クラスの順序関係が得られ,それを用いて情報システムを許される範囲で再構成する方法について述べる.
  3.  田中 一男(金沢大学):「気持ちのいい制御:制御理論の立場から −ファジィ制御による系のカオス化−」
     従来、制御理論では、不規則的な信号をノイズや外乱として扱うことが多く、このような外乱の影響を受けない制御系を設計することに主眼が置かれていた。一方、カオスは乱流や生体システムにおけるリズムなど自然界のいたるところに存在する非線形ダイナミカルシステムに内在する一見無秩序かつ予測不可能な現象である。最近では、とくに、カオスと生体との密接な関係が数多く報告されており、カオス的な挙動が人間にとって”心地よさ”を感じさせるという。よって、系の挙動をカオス的な挙動に追従させることができれば、それは人間の快適性に関連する制御分野には非常に有効となる。ここでは、ファジィ制御によって系をカオス化する方法を提案し、これを”気持ちのいい制御”と呼ぶことにする。なお、詳細は文献[1-4]を参照されたい。
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